26発目のどどんぱ

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映画感想:ピエロがお前を嘲笑う(2015年)


久しぶりの映画感想は、ドイツの「マインドファック・ムービー」です。いわゆる大どんでん返しモノで、僕の大好きなジャンルです。予告で100%見破れないと煽ってくるので期待も高いですが、さてどうか。

あらすじ

> 世間を震え上がらせたハッキング事件を起こし、さらに殺人容疑で追われる天才ハッカーのベンヤミン(トム・シリング)が警察に出頭してくる。ハッカー集団「CLAY」に加担して盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が狙われていると告白。その自白を基にベンヤミンの身辺調査に着手した捜査員は、不可解な事実を次々に見つけだす。
>
> 引用:[シネマトゥデイ](https://www.cinematoday.jp/index.html)

https://www.youtube.com/watch?v=encs61JxKco

ネタバレなし感想

大どんでん返しを予告しているだけあって、注意深く観ていたのですが、しっかりと騙されました。素直によくできているなぁと感心できる映画だと思います。逆に僕のように注意深い映画ファンほど騙されるのでしょうね。

トリックのある話ですが、ストーリー自体はさほど難しいものではないです。現実世界ではパッとしない主人公が、天才的なハッキング技術を他人に認めてもらったことで自信をもち、その承認欲求がエスカレートしていく。過信から命を狙われるというのも、この手の映画ではお約束的な展開です。

何度も見直さないと話が分からないということもないので、気軽にみて気持ち良く騙されてほしい一本です。ハリウッドリメイクも決まっているとのことなので、ハリウッドがどのようにアレンジしてくるのか、そちらも楽しみです。

ネタバレあり感想と考察

ここから先はネタバレありの感想になります。まだ観ていない人はご注意ください。

映画を観た人は、「次のページ」へどうぞ。

ソーシャルエンジニアリング

パッケージ写真とかから、もう少し暗いテイストでアクション多めの映画かと思っていたけれど、映画のなかで彼らがやるハッキングは子供のいたずら的なものだし、ソーシャルエンジニアリング(※)というアナログな方法を使って侵入するパターンが多いので、とても分かりやすくできている反面、ディープなファンからすると肩透かし感のある内容に思いました。

> ※ソーシャルエンジニアリング
>
> 人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法。
> 元来は、[コンピュータ用語](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E7%94%A8%E8%AA%9E%E4%B8%80%E8%A6%A7)で、[コンピュータウイルス](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9)や[スパイウェア](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2)などを用いない(つまりコンピュータ本体に被害を加えない方法)で、パスワードを入手し不正に侵入([クラッキング](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0_\(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF\)))するのが目的。
>
> 引用:[Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0)

ダークネットの描写を地下鉄にしているのもわかりやすくていいです。PC画面上のやり取りをそのまま映像にすることが多いんですけれども、この辺は一般大衆向けによく考えられているなと思いました。

この映画はどんでん返しをさらにどんでん返すという2重トリックになっていたところが特徴で、多くの人が騙されないように注意深く観ること自体が、騙される要因になる点が秀逸だと思います。
CLAYのメンバーが主人公ベンヤミンの多重人格で、実は単独犯でしたというものはあからさまに「ファイトクラブ」ですよね。というかベンヤミンの家にポスター貼ってありましたしね。

「100%騙される」というコピーに釣られ、「ファイトクラブ」を見たことがある人は騙されやすい映画です。これも一つのソーシャルエンジニアリングか。

結局ラストはどう解釈するのか

最終的には、多重人格人格というのもトリックで、実際は全員存在していて晴れて全員自由の身というもの。

気になるのはマリが完全に仲間のように描かれていて、中盤までのベンヤミンに対する態度や、終盤の捜査官への受け答えとの違和感が大きいです。
これはネット上でも議論があるようですが、個人的にここに答えはないと思います。視聴者のご想像にお任せしますということですね。

何より、映画のほとんどは「信頼できない語り手」の独白ですから、正確な検証はしようがないんですよねぇ。

まつかつ(dodonpa)

まつかつ(dodonpa)

40代2児の父。趣味はプラモデルとゲームなインドア派だが、学生時代から体育会系で野球、ボクシング、ラグビーを経験済み。知的好奇心も強いオールラウンダーというか器用貧乏。